米津玄師 シンデレラグレイの歌詞を考察 あなたの存在
米津玄師さんの3rdアルバム「Bremen」に収録されている曲「シンデレラグレイ」
アップテンポながらも非常に哀愁が漂うこの曲。アルバムの中でも人気の曲一つなのではないでしょうか。私は好きです。
好きなので今回はこの曲について考察していきたいと思います。
既に終わった関係
ねえどうして、そうやってあたしのこと馬鹿にして
優しさとか慰めとか与えようとするの?
その度々に惨めな思いが湧いてきて
どうしようもない気持ちになるってわかってないの?
恋人同士の関係も終わってしまい、挙句に別れた相手からは付き合ってるときの事を
馬鹿にされる。
それに対して周りの人は優しくしたり慰めたりする。けれどそれがどうしようもないほどに惨めな気持ちにしてくる。
色んな色で満ち溢れた街を歩いたって
色づかないあたしは灰色 どこへ行けばいいの?
自分の好きなように生きていけばいいって
知っている筈なのにさ 忘れちゃうんだいつもいつもいつも
付き合っている時にいろいろなところを巡り歩き、そこで体験したことが鮮やかな色として町を彩っている。それに対して自分は茫然自失の状態。
あの人と別れたから好きなところに自由に行ける。
そう考えようとしてもその考えはいつも強引にかき消されてしまう。
思い出したくもないようなことがいつまでも消えないな
ぐしゃぐしゃの頭の中 一つも整理がつかずに
また思い出した
付き合ってた時の事なんて思い出したくない。辛いだけ。だけどいつまでも消えてくれない。
自由に生きられる。だけど辛い。葛藤している時にも、またあの日々を思い出してしまう。
怖かったのに 辛かったのに 誰も信じてくれなかったのに
あなただけが その声だけが いつでも笑いかけてくれたのに
この曲の【あたし】はもともとからなにか辛い境遇にあったのでしょうか。
そんな中でただ一人だけ、あなただけが寄り添ってくれたのに。
カボチャの馬車もガラスの靴も似合わなくて
ただひたすら何事もない日々のあり合わせ
この世界はどうも鮮やかすぎて目が眩む
色づけやしないあたしへのあてつけみたいで
そんなあなたはもうそばには居ない。かぼちゃの馬車やガラスの靴なんていうものはカラフルすぎて自分には全く似合わない。それらがまた自分を攻撃してるようで嫌になる。
もういいよ、どうなろうと何もかも知らないし
あなたのこと あたしのこと これからの全ても
「ねえ王子様、あたしの為に生きて」って言いたくて
言えなかった あの日の自分が嫌い嫌い嫌い
もう何もかもを投げ捨てるような発言をします。
だけど再び思い出してしまう。自分があの時「あたしの為に生きて」
と言えていたらお別れは防げたのでしょうか。
そんなことを考えるたびにますます自分が嫌いになっていく。
何処へだって行けるような自由なんてほしくはないな
あなたという不自由だけが あたしを自由にしていたんだって
気づいてしまったんだ
結局こんな自由なんていらない。あなたのおかげで楽しめていた。
自分を卑下し、あなたのことをどうでもいい、なんて言ってしまう
だけどあなたの存在の大きさに気づいてしまった。
痛む心 癒えないのは 無様なほどに期待してるから
あなただけに その声だけに 優しくされたかっただけだったのに
またあの日々は戻ってくるんじゃないかと無様に期待するから。もう完全に自分の事を好きではなくなったあなたの態度を見て傷ついてしまう。
ただただ自分は前の笑いかけてくれた時のように優しくされたかっただけなのに。
「愛は永遠」って 誰かの誰かの誰かが言った
それがもし本当なら いつまで苦しめばいいの?
12時を越えて ずっと消えないものがあるなんて
お願いよ もう消して 消して 消して 消して
【愛は永遠】あたしにとってそれはどれだけ残酷な言葉なんだろう。
いつまで苦しめばいいのと嘆くあたし。
12時を越えてあなたとの関係は消えた。けれど思いは消えてくれない
「消して」と誰かに祈るように何度も繰り返すのもまた来るものがありますね。
怖かったのに 辛かったのに 誰も信じてくれなかったの
に
あなただけが その声だけが いつでも笑いかけてくれたのに
痛む心 癒えないのは 無様なほどに期待してるから
あなただけに その声だけに 優しくされたかっただけだったのに
最後に
歌詞にシンデレラを彷彿とさせるような言葉があったり、切ない曲にも関わらずアップテンポであったりかっこよさがあるのがこの曲の魅力の一つだと思います。
シンデレラグレイ、いい曲です。