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米津玄師 TOXIC BOYの歌詞の意味を考察 未練があるのに強がっている自分

ha米津玄師2ndアルバム「YANKEE」に収録されたTOXIC BOYを考察していきます

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あなたが欲しいと思う主人公の『自分』

大変だ 心溶け出して辛い
ねえ、あんたの持ってる錠剤頂戴
ドキドキワクワク飛び出してみたい
もう、どうにも体を止められやしない

心が溶け出すという言葉は『自分好意という感情が抑えられない』と解釈しました。そして、「あなたの持ってる錠剤頂戴」は、好意を寄せるあなたがこの感情を抑え込む『錠剤』なんだ。だからあなたが欲しい。「飛び出してみたい」はあなたが隣にいる生活へという意味でしょう。


乱痴気騒ぎだ高架の下アバンチュール
で、めんこいあの子と百貫のデブ
とんまのワン公は散弾銃バンバン
と、わんぱく盛りのチャンバラヤンキー

・乱痴気とは『常軌を逸したような』という意味。

・アバンチュールは『恋の冒険』のような意味。

・とんまは『まぬけ』

あんなかわいい子とデブがなんで一緒にいちゃつけるんだ。

と思う自分散弾銃をばらまくように叫ぶワン公と表現しています。

 

なんでもないさ そうさ痛み回避して生きられない
こんな 夜があれば 朝もあれば
なんにもないさ そうさいつだって僕たちはカラカラだ
今日も腹抱えて笑い転げ

なんでもないと強がるだけ。カップルを見て、嫉妬などの様々な感情で痛むことは避けられないと受け入れる。

その痛みを避ける術がなんにもない=あなた自分の恋人になっていない。

いつだって僕たちは好きなあなたを欲しがっている。

毎日を楽しく過ごすカップル達に負けたくない。

だから、『強がって』腹を抱えるくらいに笑い転げて俺らは楽しんでるぞ、とアピールする。

 


つまりそれを飲み込めたならオーライオーライ
暗い悲しいそでない間違い
捨ててしまえるさ 遠く向こうへ
頭空っぽもう気づかない
心残りもオーライオーライ
痛い侘しい見えない消えない
つまらないことであい間違えない
頭空っぽもう気づかない

サビです

だからそんな日々を錠剤と一緒に飲み込めたならいいな。と思う自分。

そしたら暗く悲しいそでない間違いなんて全部捨てれるのに。

頭の中の悩みも消えて、「めんこいあの子と百貫のデブ」みたいなやつらにも気づかない=目に入らないんだと。

心残り=あなたと出会う前に別れた恋人への未練ともおさらばできるんだ。

心細さ。別れた恋人には見えない、伝わらない自分の未練。消えない痛み。

あなたがいてくれたらこれらが全部つまらないものになる。と考えているようです。

あなたと別れた後の自分

大変だ 体錆び付いて辛い
ねえ、あんたの持ってる錠剤頂戴
ドキドキワクワク飛び出してみたい
もう、どうにも心を止められやしない

 恋が実り二人は恋人へ。

しかし、心が溶け出すほどの大きな思いが災いしてなのか、二人の関係が錆びる時がやってきました。


あんたが部屋に残してったチェリーボンボンのいい香り
こんな夜跨いで 朝塞いで
今夜もどうだ嘘をついてまたいけしゃあしゃあと踊るのか
往来 立ちすくめば しじまの中

「あんたが部屋に残してったチェリーボンボン」とは未練の事でしょう。

「夜を跨ぐ」とは別れたあとの憂鬱な日々を過ごすこと。

「朝を塞ぐ」とは目に入ってくるカップルのことを、見ていると羨んでしまうため見ないようにしているさまでしょう。

今日の夜も嘘をついて踊る=この嘘は自分の気持ちに対して「もうあの人は好きじゃないから」と嘘をつく。

そうやって強がって楽しそうに踊る。また『あなた』と付き合う前のようになってしまったわけですね。

「 往来 立ちすくめば しじまの中」

こんな強がってどうなるんだと考えだします。

そんな考えが往来=自分の中で行ったり来たり。

そんな無様な自分に驚き、立ちすくみます。

そうしたら、心が静寂に包まれ落ち着きを取り戻していきます。

 


心ここにあらずのままでオーライオーライ
怖い食えない負えない間違い
いつのまにまにか消えてしまうさ
跡形なんてもうあっけない
甘いも酸いもオーライオーライ
狭いしがない世話ない消えない
認められたならあい間違いない
跡形なんてもうあっけない

再びサビです。

「心」とはまだ思いを寄せるあなたのことを表しているのではないでしょうか。

ここには居なくていいと言っているようです。

居なくてもいいと、未練を断とうと試みます。

怖くて食べきれない未練。しかし、別れてしまったためにあなたのことを背負うこともできない。

そんな苦しさははいつか消えるだろう。

跡形なんてもうあっけない=前の恋人である『あんた』が残していった物=未練はあっけないものなんだから。と自分に言い聞かせます。

『あんた』への甘酸っぱい恋心なんて狭くしがない=(取るに足らない)世話もかからない。そう思うのに『消えない』

最後の「跡形なんてもうあっけない」は、恋人のいない今の自分を認められたならいいのになと思っているように感じます。

 

つまりそれを飲み込めたならオーライオーライ
暗い悲しい癒えない間違い
捨ててしまえるさ 遠く向こうへ
頭空っぽもう気づかない
心残りもオーライオーライ
痛い侘しい見えない消えない
つまらないことであい間違えない
頭空っぽもう気づかない

ラスサビです。

最初のサビと比べて、暗い悲しい『癒えない』間違いと歌詞が変化しています。

癒えない間違いとは未練のことでしょう。

この場合飲み込むのは『いままで強がっていた自分』と『未練』のことだと思います

「頭空っぽもう気づかない」を繰り返し歌うのはもう未練には気づかない=未練なんてないんだという風に自己暗示をかけているからのような気がしました。

 

最後に

恋人と別れる。大好きであったのに相手からフられたらかなり辛いですよね。

その辛さは簡単には捨てられません。その思いを頑張って絶とうと思っても無理です。

そんな痛みを避けるために、また新たに恋人を作る。

そのさまはまるで中毒(TOXIC)のようです。

だからTOXIC BOYなんだという風に感じました。